日々更新される千夜千冊。そこから週に1冊を選び、 その千夜本が配架される編集工学研究所・ZEREビル本棚を公開していきます。これであなたも編工研マニア?



千夜千冊556夜

『植治の庭』

編者:尼崎博正    撮影:田畑みなお
出版社:淡交社
出版年:1990

【要旨】
「植治」こと七代目小川治兵衛の生涯を豊富な庭園写真とともにたどる。山縣有朋との出会いをきっかけに作風を培った40代、住友春翠らとの親交を深め、円山公園など多くの作庭で多忙な50代、74歳まで創作活動を精力的に展開しつづけた晩年期。石と水の日本美を観賞しながら、「近代造園の総合プロデューサー」植治の才能を惜しみなく味わう。


4FTHERE
に4 近代と個人主義の再考
ほ1   脱主体の思考実験
と1 贈与から資本へ
   
3FWEAR
は4 近代日本文壇の勃興
に1 美術家たちの日本近代
と2 反俗の作家・谷崎と荷風
よ3 日本語を思ふ
   
  NEAR
は5   家作の技、木の職人
へ4 歌舞伎流
を4   変容する庭
   
2FHERE
と2 18世紀ロンドン・クラブ
い6 マニエリスムの饗宴
ち5 たゆたふ日本語
   
  CORE
ろ0 人体メカニズムの構造
と5 性の発生と進化
な3 マクルーハン・コスモス
そ6   「知る」ということ
   
1FPIER
に2   カール大帝と騎士の時代
と2 18世紀ロンドン・クラブ
ち2 中国の思想世界
た1 現代イスラムの惨劇
   
  TOUR
は6 日本的表現の胎動
は7 女流王朝文学の栄華
と2 群雄割拠と天下統一
ち7 水戸学から松下村塾へ
   
     
     
     
     
     
     





 

 
 

【3F・NEAR−を4】「変容する庭」


 


 
まず、石があった。石によって結界された空(ウツ)なる土地に神が宿った、それが「庭」のはじまり。時はうつろい平安時代、世界像を映し出す宇宙模型としての庭園が誕生。“メタファー空間・庭”は、いつしかネットワークの拠点となり、「社交の装置」である大庭園が明治に花咲く。日本美を変容させつづける、石と水をめぐる想像力の棚。
 

タナリストの一言

左奥にどっしり構えるのが、この棚のキー本『作庭記』です。茶色に日焼けたページをめくるたびに、飛鳥時代からつづく作庭の深い歴史が香ります。どこか慎ましい気持ちになったあとは、手前にある『大名庭園』で豪壮な大庭園を闊歩してみましょう。右側には魅力的な大判カラーが林立していますね。まろやかな石の連なりと目にしみる緑の写真。水のせせらぎが聴こえるようです。さて、日本庭園の渋味と大胆さをゆっくり味わうなら、青の背表紙の吉村貞司『庭』です。淑たる中に、凛とした集中と緊張が張りつめた一冊、立ち読みでは済みませんね。


『知の考古学』のひだりみぎ

『淡交別冊<愛蔵版> 庭 』(淡交社)

“日本の心とかたち”と題して、数寄文化を特集。和風庭園の意匠と技法がテーマ。古代から現代までの庭を歩む。

『作庭の事典』(清家清・工藤昌伸監修 講談社)

入門者は基礎的な用語解説を、通は監修者による庭園談議を。作庭に関するあらゆるを、幅広く分かりやすく編集。

『植治の庭』
『石と水の意匠―植治の造園技法』(尼崎博正編 田畑みなお撮影 淡交社)

「庭園技術の宝庫」と評される植治の庭を克明に分析。300点の図版から、デザイナー植治の意匠と技法に迫る。

『庭石と水の由来』(尼崎博正著 昭和堂)
日本庭園の骨格をなす素材、石と水の文化考察。膨大な庭園の石質と水系をつぶさに調べあげ、臨場感あふれる造園イメージを掻き立てる。
※編集工学研究所では、本の並びは意味の並び。
左右の本を見ることから、読書は始まります。





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